正起ガスに入社する前の経歴を教えてください。

最初の就職先は神戸の酒造会社で、製造機械のメンテナンスに携わりました。ですが、機械より直接人と向き合う仕事のほうが自分の性に合っていると思い、3年間勤めた後、居酒屋に転職しました。13年間で多くの方と出会うことができ楽しく働かせてもらいました。

振り返ると、休みの日には知り合いが参加するイベントに行ったり、新しくオープンした飲食店に視察するなど、家族との時間が取りにくいと感じ、転職を決めました。

愛媛に移住するきっかけは。　

家を建てるのが目標でしたが、神戸だと土地代が高いこともあり難しいと諦めかけていました。そんな時に新居浜にいる妻の祖母が土地を譲ってくれるという話が。理想の家が建てられるかもしれないと思い移住を決めました。「お婿さんが来てくれる」と、妻の家族が皆喜んで受け入れてくれたのも大きな理由です。

正起ガスを選んだ決め手は。

人と直接接する仕事ということだけ決めて、業界・業種を絞らず探していたところ、正起ガスのリフォーム営業の募集がありました。家を建てる目標を持っていた私にとって、給料をもらいながら家づくりのことが学べるチャンスだと思い応募しました。営業サポートでの募集でしたが、営業として入社させてもらいました。

リフォーム営業のショップ「Re+S(プラスエス)」は当社が運営する旧社屋をリノベーションした商業施設「創作地区」の中にあります。ガスの会社が商業施設をしているなんて、とても楽しそうで地域を大切にしていると感じたのが決め手です。

どんな顧客の悩みも親身に対応　

いきなりの営業は大変ではなかったですか。

リフォームの営業マンと聞くと、飛び込みでお客様の家を訪問したり、ひたすら電話を掛けアポをとったりする大変なイメージがあると思います。当社は少し違い、ガスの契約をしている既存のお客様からの問い合わせに対応するのがほとんどです。

どんな問い合わせが多いのですか。

水回り設備の交換や壁・床などの張り替えなどの一般的なリフォーム工事だけでなく、トイレやキッチンの配管が詰まったとか、扉が開けにくくなったとか、照明が切れたといったお困りごとの問い合わせもあります。日頃からガスでお客様と密接に関わっているからこその内容だと思います。

仕事の流れを教えてください。

問い合わせの対応から工事完成まで関わるのが当社のリフォーム営業です。基本的な流れは、まずお客様の家に訪問して状況を確認します。その後、工事に必要な商品を選定し、実際に工事を行う協力業者に見積もりを依頼した上でお客様に提示する見積書・契約書を作ります。工事中はスムーズに工事が進むように、進捗具合の確認や細かい打ち合わせを随時行います。

どのように仕事を覚えていきましたか。

半年くらい上司に付いて回り仕事の流れを教わりました。小さい案件から徐々に独り立ちした形です。分からないことはとにかく聞いて回りました。

ある時、指示を出さないといけない立場の私が逆に指示を仰いでしまって、職人さんに「君が指示をしないといけないんじゃないのか」と言われました。その後は、どんな選択肢があって、それぞれがどんなメリット・デメリットがあるかなど、指示を出すための判断材料を聞き出すようにしました。次第に自分でも考えられるようになり、今では私の意見が通るようになったのです。

職人さんは照れ屋が多く直接言ってくれませんが、上司経由で「よく頑張ってるぞ」と聞いた時はうれしかったですね。

気遣いで顧客の暮らしを快適に

仕事をする上で心掛けていることは。

気遣いです。お客様と接する際は、趣味の話などを聞きお客様に興味を持ち、自分事として考えるよう心掛けています。そして、なぜその工事を頼みたいのかを見極めます。洗面台の交換の理由を聞くと水栓の水漏れが原因だったことがあります。その時は水栓がメーカー廃番だったので、ネットで部品を探し対応しました。

依頼通り対応したほうが売り上げが上がったかもしれません。でもそれがお客様のためになるかは別です。お客様の暮らしのために何が最適かを常に考えるのが大事だと思います。

そうした考えに至るきっかけは。

「人のために」という考えは今の上司の教えでもあり、前職の居酒屋の社長の教えでもあります。当社の妹尾社長も「ただ仕事ができるだけでなく、人間力を高めるのが大切」と言っていて、同じ考えの人のもとで働けてよかったと思っています。

社内の雰囲気はどうですか。

堅苦しくない雰囲気で居心地が良いです。かといって、いつまでもだらだらと事務所にいるわけではありません。

私は残業をしないのを目標にしています。小さい工事を合わせると10～20件を並行して進めています。スムーズに仕事ができるようスケジュール管理システムを使っています。管理の仕方は本やネットでも勉強しました。午前はデスクワーク、午後は現場といった形でまとめるのがコツです。

今後の目標は。

今は部分リフォームの依頼がほとんどなので、いつか全面リノベーションを手掛けたいです。そのためにまずは目の前の仕事を全力でやります。そして頼まれごとは極力断りません。そうすると道が開けるかと。

就活をしている人にアドバイスを。

自分を見つめ直して何が好きなのかを考えてください。例えば飲食業に興味があるとして、「料理を作るのが好き」なのか、「接客が好き」なのかを考えると別の選択肢も生まれてくるかもしれません。そして、この会社がいいなと思ったら、応募条件に合わなくても思い切って問い合わせをしてみてください。聞くのはタダです。

正起ガスに向いている人は。

真面目な人です。それから、基本ですがあいさつがちゃんとできること。あと、片付けができる人。職人さんは現場でひざまずく時には必ず敷物を使います。汚さないためです。「きれいなところをきれいにするのが掃除」と教えられ、汚れていないか、散らかっていないかを常に気を配るようになりました。するとデスクが整頓され、探し物が少なくなり、仕事が早くなりました。

ところでご自身の家は。　

この仕事でいろいろな家を見ることができ、それを参考に建てました。間取りは自分で考えました。天井高を4mにし、リビングとキッチン、寝室は全て土間です。とても満足しています。