果物や野菜などの農作物を選別するシステムを自社開発しているシブヤ精機。高度なオリジナル技術を持つ優れた企業でありながら、BtoB企業のため一般的に社名が表に出ることは少ない。日本の食を支えている高い技術力について聞いた。
【取材協力】 管理本部 WD推進室 室長 亀田 徳雄さん
会社の歴史を教えてください
1973年に石井工業㈱という会社を愛媛県で設立して業務を開始しました。当時から今もメイン事業である農業設備システムの開発などを行っています。
2003年に現在の親会社である渋谷工業(株)( 東証・名証1部上場)のシブヤグループに入り、2011年にグループ内で合併があり、現在のシブヤ精機(株)が誕生しました。
農業設備システムの開発とは
農作物を工場で選別するための設備システムです。まず農作物が消費者の手元に届くまでの流れを説明すると、生産者の方々が作った農作物は、「選果場」と呼ばれる施設に集められます。
その選果場で農作物の品質検査が行われており、品質ごとに分けられた農作物が、販売所となるスーパーなどに持ち込まれます。
弊社の農業設備システムは、農作物の検査から箱詰めして、選果場から市場へ出荷するまでの全ての工程を請け負うシステムです。
農作物の検査はどうやって行うのですか
みかんを例にすると、みかんの品質は大きさ、色合い、キズなどの外観、甘さ、すっぱさなどの内観によって、ランク付けを行い、等級と階級ごとに分けて販売されています。
弊社のシステムを使うことで、品質ごとに正確に選別することができます。
どうやって選別するのでしょうか
自社で開発したセンサを用いて、外観は画像処理技術、内観は非破壊測定技術を活用します。外観からでは分からない、糖度や酸度などの品質を、果実を傷つけることなく選別することを可能にしています。
弊社の機械を使用することで、果実を傷つけずに検査が行えて、結果として食の安全を守っています。
それはすごいですね。業界での評価はどうでしょうか
農作物の選果選別システムの分野では、弊社が国内トップです。そのシステムのお客様は全国の農協様になりますが、高い評価をいただいております。
農業設備システム以外にも自社システムはありますか
弊社のもう一つの分野として、一般産業向けの省人省力化システムがあります。お客様は皆さんがよく名前を耳にする食品メーカー様などです。そのお客様の要望を入れた省力化システム・自動化システムをオーダーメイドで開発・制作しています。
弊社は「BtoB」企業であるため、企業名はほとんど表にでていませんが、弊社が開発したシステムを使用し生産された商品を手にしていると思います。
これから御社の目指していくことは
大きく分けると二つあります。
一つは農業設備システムを国内だけでなく海外展開や新しい市場に展開していくこと。
二つ目は一般産業向けの売上を増やすこと。そのためにお客様からの様々な要望をカタチにする技術を向上させることです。
人材育成について教えてください
受注生産型(オーダーメイド)であるため、技術部門だけでなく他の部門も覚えることが多くあります。
研修だけでは実務ができないため、時間はかかりますが、先輩社員より指導を受けながら実務をこなし、一つひとつ覚えてもらっています。
最後に就活生にメッセージを
弊社は営業職や技術職などを毎年採用していますが、文系理系は問いません。機械や電気・情報などの勉強をしていなくても技術職として入社して活躍しているメンバーもいます。
やりたいことは何か、自分に向いてることは何かを考え、自分の可能性を広げて挑戦してください。
シブヤ精機のHPはコチラ
企業DATA
シブヤ精機㈱
https://www.saiyou.shibuya-sss.co.jp/
- 本社
- 松山市南吉田町2200
- TEL
- 089-971-4024
- 設立
- 2008年
- 従業員数
- 400人
- 代表者
- 取締役社長 北川 久司
- 事業内容
- 受注生産型機械メーカー
- 新卒採用実績
- 2019年度 10人/2020年度 18人/2021年度 16人/2022年度 20人/2023年度 11人/2024年度 8人/2025年度 10人予定