経営者インタビュー 四国中央キャリア代表取締役

2018.08.31

就活コラム

他人も巻き込み
一生使える自己分析を

(株)四国中央キャリア 代表取締役

(よこうち・ひろゆき)

【個人向けサービス】就職・転職支援サービス、インターンシップの企画・運営、キャリア教育の企画・運営など
【企業向けサービス】人材紹介サービス、採用コンサルティング、人事評価制度構築・運用支援サービスなど

今は就職売り手市場と言われていますね。

リクルートワークス研究所によると、全国の2019年3月卒業予定の大卒求人倍率は1・88倍と7年連続で上昇しています。会社の規模別では、従業員300人未満の企業が9・91倍と抜きん出ています。それ以上の企業は1・5倍以下で、この10年ほとんど変わっていません。5千人以上の企業に至っては0・37倍と過去最低を記録しました。

大手人気は相変わらず。

私は四国内外の大学でキャリアに関する授業を行っていますが、愛媛の学生への聞き取り調査でも県外の大手企業を受けるという人は多かったです。ただ、大学は地元に就職してもらおうという動きになっていて、愛媛の企業との接点を増やしています。企業も採用活動に力を入れていて、特にインターンシップを積極的に実施しているところが増えています。「大学コンソーシアムえひめ」に登録されているインターンを実施している企業は131社あります。

インターンは会社を知る上で有効な手段になる。

長い時間をともに過ごすことで関係性は濃くなります。インターンに参加した会社の採用試験を受け、入社するケースが多くなっています。インターン先を選ぶ際には、大まかでもいいので行きたい業種の方向性ややりたい仕事の軸を決めてから選んだ方がいいですね。そのためには「自己分析」が重要です。売り手市場だからといって楽観的になり、自分と向き合う機会をおろそかにすると、自分に合った仕事に出会うことが難しくなります。インターン時にはざっくりとした分析でいいと思います。最終的にはどんな生き方がしたいのか、仕事で何を得たいのかといったイメージを明確にして仕事選びの軸をはっきりさせることが大切です。自己分析は社会人になった時にも生かせます。時間を掛けるほど精度が上がりますので早くから取り掛かった方がいいと思います。

横内さん自身はどんな風に自己分析をしたのですか。

オリジナルの「就活ノート」を作りました。まずは自分が何でテンションが上がったのか、逆に落ち込んだのかといった過去の出来事を振り返った上で、その時の自分を理解するために基本的な性格(長所・短所)を分析しました。
同級生や先輩、後輩にも、私がどんな人なのかということを書いてもらいました。今は納得できますが、当時は受け入れられないことも結構書かれました(笑)。
過去・現在の分析を経て将来像を考えました。私は起業したいという思いがありましたので実現するためのキャリアイメージを明確にしました。
面接で話すためのネタも書きました。受ける会社によって使い分けていましたね。

10年以上経った今でも大切に保管している。

後輩からの自己分析。辛口コメントも。

ネタはそんなに思い付くものですか。

そんなに大したことを書かなくてもいいと思います。自分らしさが表現できていることが大切です。私は前向きな性格のエピソードとしてスピード違反で捕まった時のことも書いています。「高額な罰金を払って落ち込んだが、やってしまったことはしかたがないと気持ちを切り替え、予定していたスノボ旅行にはカップラーメンを持って行き、かまくらの中で食べるなど節約生活を楽しんだ」と。悪いネタを逆転の発想で自分の長所のネタに変えました。ちなみにこのネタを話した会社からは内定をもらいました(笑)。
あとは他人の意見を深掘りして聞いてみると、長所が見えてきたりエピソードが出てくるようになると思います。

今の採用面接はどんな「場」だと感じていますか。

企業の意識がかなり変わってきています。かつては学生を選ぶ場でしたが、今は対等な関係でお互いのことを知る場になっていると思います。学生をちゃんと理解して採用したいという意識が強いので、言葉に詰まったとしても慌てずに言いたいことを伝えれば受け止めてくれるはずです。
大手や公務員が安泰という時代ではありません。変化に対応できる能力を身に付け、会社というブランドがなくても顧客から信頼を得られる自分というブランドを磨いてください。私も県外に出て分かったことですが、自分を支えてくれた人たちがたくさんいる地元は、豊かな生活を送れる可能性が非常に高いです。愛媛には良い企業がたくさんありますので仮に県外に出たとしても、いつかは帰って来てくれるとうれしいですね。

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