4代70年にわたり地域インフラ支える
自社一貫体制確立、ICT施工に意欲

中央建設(株)社長

松本 忠正(まつもと・ただまさ)さん

1958年1月13日生まれ、60歳。大洲市出身。還暦を迎えウォーキングや水泳で体調管理。信条は「何事にも誠実」で、社員にも「嘘はつくな、約束は守れ」と諭す。一粒種は中学2年の愛息子。(週刊愛媛経済レポート2018年11月5日号掲載)

昨年創業70周年という節目を迎え、改めて抱負を伺います。

その前に今回の西日本豪雨災害で大洲は大きな被害を受けました。紙面をお借りして被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。
弊社は私の祖父が1947年に創業し、2代目が父、3代目が叔父で、私は4代目です。66年に法人化し、一昨年が法人化50周年、昨年が創業70周年でした。4代に亘り70年もの間事業を継続できたという感謝と、代々お世話になった方々に直接お礼を申し上げたくて祝賀会を開きました。

社長ご自身のキャリアは。

大阪の土木専門学校と測量の専門学校を卒業後、大阪の測量設計会社に就職し80年に帰郷しました。入社後は大型トレーラーを運転したり、現場では叱られながら土木技術を身に付けていきました。社長就任は2007年です。

業務骨子を教えて下さい。

メインの総合建設業の他、産業・一般廃棄物業、重機や産廃運搬の運送業、解体業を行います。産廃は収集運搬業務と自社で中間処理場、最終処分場も保有しています。17年度決算の売上高は10億4千万円でした。割合としては土木工事が6割、建築が3割、運送と産廃が1割ですね。おかげさまで業績は順調に推移しています。

好業績の要因は何でしょう。

一番は人材ですね。社員は現在30人で、スキルが年々レベルアップしていると思います。オペはオペ、現場は現場というような分業ではなく、1人がオールラウンダーとして活躍できるプロ集団です。現場では一人一人が自分の立場で考えて仕事をしないとレベルアップしないので、よく考えてほしいとことあるごとに伝えています。
また、月に一度安全会という色々な意見を出し合う機会を設けています。小さな会社ですので経営層と4部門長、現場の社員の垣根を取っ払って、日々の報・連・相を行っており、何でも相談できる体制です。問題が起きれば即決断してトップダウンで指示するということが積み重なって、幅もできてきたと思います。民間工事については営業努力もあり、私もトップセールスします。痒いところに手が届くような気づかいも必要ですので、日々打ち合わせをして磨いています。

御社の業務の特徴や強みは。

公共工事は積算から始まって、受注後も現場の施工条件を踏まえた上で段取り・人材配置・機械配置などの大まかな確認をしてから現場に入ります。弊社は運送業も産廃業もやっていますので、自社で重機・ダンプ・トラックの運搬もできますし、現場で発生する産廃の中間処理、最終処理まで全部自社で一貫して行えます。解体工事も申請手続きから、最終処分まで一貫して行うことができます。自社でトータル対応できるということが一番の強みですね。そんな社内インフラを先代や先々代が整えてきてくれたおかげです。

最近力を入れられていることはいかがでしょうか。

ICTの積極活用です。既に取り組んでおり、昨年度も県の第1回目のモデル工事を受注し、完成検査でかなりいい評価を受けました。専用ソフトを導入し、現在も国交省の現場、これから始まろうとしている大洲市の現場、県の工事も全て自社のICT施工でやろうと進めています。
そして生産性向上ですね。日々やっていることの積み重ねを1分でも10分でも短縮したり施工性を上げるということです。ハード面だとやはりダンプ・トラックです。積載量拡大こそハード面の生産性向上だと思うので、新しいダンプの導入を決めました。

資格取得にも熱心ですね。

我々の業界では資格が大切なんです。会社も必要ですが、個人でも必要ですので、とにかく資格を取得しないといけません。当社は土木、建築、解体、水道、下水などを含めて多岐に渡りますので、それらの資格を取得しなければ土俵にも上がれません。若手には毎年資格取得を奨励しています。私も今年合格通知がきたものもありますし、まだまだチャレンジしようという気持ちはあります。子供が小学生の頃には机を挟んで一緒に勉強していたこともあります(笑)。勉強すればしただけのことはありますしね。

御社は早くISOを取得されました。

最初の9001取得は2002年です。時代の要請を感じました。認証も高額を投じて取得するのでなく、自社でマニュアルを構築して取得しました。取得により社員の意識も変わりましたし、今までやっていたことを文章化して体系化したことはものすごくよかったです。それで05年には環境の14001を取得しました。産業廃棄物をやっていますので、産廃に関しては環境のことを考えてマニュアルを構築して取得しました。それも業績アップに繋がっていると思います。また、BCP(事業継続計画)の認証も受けています。

地域における自社の役割についてご見解をお聞かせ下さい。

地域の方々に支えられ、共に生きていることを実感しています。地域のためにできることは私たちの業種ではインフラの整備・維持管理です。7月7日の西日本豪雨の時、梅雨前線が4、5日停滞していました。弊社の何人かは2日前から待機して点検やパトロールを行い、前日の6日も夜通し会社で寝泊まりして待機していました。地域に災害が起きる可能性が生まれれば何らかの対策を講じなければならないし、災害が起きれば復旧・復興のためにいの一番に行かなくてはなりません。今回も8日までみんな待機しており、朝7時頃に市役所から道路の堆積物撤去の依頼があり、出動しました。自社で重機を保有し運送もできますので、即座に道路の復旧作業に取りかかりました。今まで地域の方たちと歩んできましたので地域のためになることをやっていくのが使命だと思っています。

市との連携も大事ですね。

市とは緊急時にどこに対応するかというような契約を結んでいます。あれほどの大水害になると既存の仕事はストップして、1ヵ月間ほど復旧作業に集中しました。小規模な災害であれば通常の仕事と並行して行います。大洲は河川増水が多いですから、そのノウハウは弊社の社員が把握しています。

現在直面している課題と対応はいかがでしょうか。

やはり若手の人材確保です。あとは熟練工から若手への技術の継承です。人材は従業員の親戚や知り合いへの声掛けを行い、ハローワークでも募集しています。高卒生の募集、Iターン・Uターンの募集もハローワークに声掛けしていますがなかなか難しいです。技術継承は熟練スタッフに若手をつけて一緒に作業をさせています。

今後の事業展望を伺います。

事業承継が大切です。私も還暦ですので10年後には次の世代にと思っています。代表に就こうと思うとすごく決心がいります。自分の住まいも全て投げ出すくらいの覚悟がないとやれないと思います。私も怖かったですね。私が代表に就いた頃は政権交代で公共工事なども半分くらいになり大変でした。一根性要りましたよ(笑)。そういうこともあるので、スムーズに事業承継ができるように体制を作り、荷物も少なめにしておかなくてはと思います。昨年の70周年はあくまでも通過点ですので、次世代に繋いでいける次の80年、100年に向かっています。

改めて抱負を伺います。

私達の仕事は時代を問わずなくてはならない業種で、社会基盤を支える大切な仕事です。施工途中にご迷惑をかけることがありますが、弊社は一貫して作業ができますのでスピード感を持って短期間で仕上げる強みがあり、他社には負けない施工、能率のはやさがあります。また、弊社にできることなら全てご要望に応えられるようにするスタンスです。今後もそうした姿勢で地域の方々と一緒に歩んで参りたいと思います。

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