経営者インタビュー_マルタニ社長

ロータス主体に四国でも稀有な車販社
個性を重視 車好きのニーズに応える

(株)マルタニ 社長

谷 裕二さん

1965年1月11日生まれ、54歳、四国中央市川之江町出身。帝京大学経済学部卒。趣味は「中島の大会にも出場する」と言うトライアスロンとゴルフ。信条は「誠心誠意」、「誠実」。
(週刊愛媛経済レポート2019年4月22日号掲載)

今回は、英国車「ロータス」が並んだ(株)マルタニ(四国中央市川之江町)さんのショールームをお訪ねしました。

弊社は1957年、自転車やバイクの2輪販売で創業し、63年に法人化するとともに現在地に移転して、4輪の販売・修理に移行しました。輸入車はかなり以前から扱っていますが、正規ディーラー権を取ったのは94、5年頃です。輸入車とともに国産車も扱っています。

業歴62年ですね。

父が創業者で私が2代目です。私は社長に就く前の86年から2001年まではアメリカに住んでいました。最初は学生として渡り、89年から01年までは現地からアメリカ車、ヨーロッパ車を日本に輸出する仕事をしていました。その当時のパイプは今も生きています。帰郷後家業に入り、一社員として働いていましたが、父が亡くなり2代目として会社を継ぎました。私は次男で、子供の頃は会社を継ぐという意識はありませんでしたが、ある出会いがあって、自分はやはり車が好きだと気付いたのが、アメリカで車の仕事についたきっかけです。

業務形態について伺います。

弊社はロータスの正規販売店「ロータス四国中央」と、ケータハムの正規販売店「ケータハム四国」を運営し、ともに販路は中四国です。また、弊社はアメリカの車も得意としています。アメリカ車も中四国が商圏です。アメリカ車を扱う販売店は少なくなっていますが、ファンは大勢おられ、整備・販売も含めて注文をいただいています。三つ目は地域密着で四国中央市近郊のお客様を対象に国産車の他、ベンツやBMW、ワーゲン、アウディ、フィアット、プジョー、ボルボ、ジャガーなどの輸入車を扱います。

販売実績はいかがですか。

年間の販売台数は輸入車が60台位で、国産が120台位です。売上では輸入車のウェイトが大きいですね。遠くから買いに来られるお客様はインターネットを見て来られることが多いです。情報発信は、輸入車ショーへの出展や、在庫が見える形でネットで発信しています。年間売上は約3億6千万円です。従業員数は販売と整備、総務を合わせて10人です。

御社の特徴や強みについてご説明下さい。

ロータスやケータハムはオンリーワンの車であり、中四国での扱いは弊社が希少な存在で、ドイツ車などのヨーロッパ車にしても四国中央市では希少な存在です。弊社は国産車、輸入車ともに長くお付き合いいただいているお客様が多いです。おじいさまの代から3・4代に渡ってお取引いただくお客様も多いです。

その要因は何でしょうか。

弊社は「安心、安全、納得を提供する」ことを会社の理念として掲げています。常に一生懸命お客様のお役に立てるよう続けてきたということに尽きると思います。60周年の時にはサーキット場を借り切ってロータスの走行会を行いました。お客様に喜んでいただき、感謝の気持ちをお伝えしたいということで開催しました。

購買動向はいかがですか。

車によって全然違いますね。ロータスやケータハムは趣味の世界になりますので、あまり景気に左右されません。セカンドカー、サードカーとして乗られる方が多いです。お金を持っているとか成功したから買うというわけではなくて、好きで買うということですね。バイクが好きな50代60代の方がバイクに乗っておられますが、それと近いですね。趣味の世界です。乗ると爽快で気持ちがよいというところです。ステータスとして人に見てもらいたいということではなくて、自分が楽しいということです。ロータスなどはそういう車です。

ご自身は車のどんなところに魅力を感じますか。

パワーなどのスペック上の数値を見て比較判断しがちですが、私はやはり乗って楽しいかどうかですね。アメリカで車が好きだと気づいたのも、89年にある方と出会い、ロータスヨーロッパやエランという車に乗って、こんな楽しい車があるのかという感動からです。ロータスは私が社長になってから取り扱いを始めたのです。

お客様へのアプローチはいかがでしょうか。

今少子化で車離れなどと言われていますが、弊社には毎日のように車好きのお客様が来られますし、若い方も来られています。みなさん「最近の車はどれも一緒であまり欲しい車はないな」と異口同音に言われます。確かにどれも性能的には素晴らしい車ばかりですので、選ぶ基準はあとはブランドやデザインになりますね。

でも弊社は個性を大切にします。弊社が毎月何百台も売るという体制で経営するのであれば、日本中のほとんどの車販売店がやっているのと同じようなやり方をしなければならないでしょうが、弊社は車が好きな方に来ていただき、その方にさらに車で楽しんでいただくということです。

若い方でも車が好きな方が大勢いるのですね。

たくさんいらっしゃいます。ただ車好きな方々にとって乗って楽しいと感じる車の選択肢が少ないのです。若い車好きの方が、ご希望の車に乗っていただけるよう全力でお手伝い致しますし、そしてお客様に楽しんでいただけたら何よりです。

それが御社の姿勢ですね。

何のために生きて、何のために仕事しているのかという意識に通じます。日本は戦後の高度成長期を経てここまできているわけですが、今後は人口は増えませんので、20年後、30年後に我々がどういうポジションで世の中に役に立つ、どんな仕事ができるのかということを考えると、ただ数を売ったり、量を増やすということではなく、こだわった車が好きな方に対してピンポイントで的を得たものを提供し、サービスできるかどうかということだと思います。そして車好きの方が増えていってくれるとうれしいです。

将来展望はいかがですか。

車はますます変化し進化していっていますので技術対応が一番ですね。今後自動運転とかEVとかが主要になってくると、燃料を入れませんし、車の部品の個数が3分の1程になって、整備をするところも劇的に減ります。そうなると車屋の役割が大きく変わってきます。家電屋さんが車を売れる時代がきます。トヨタさんが今、自動車を作る会社から移動するための全体のことを考えながら色々なものを提供する会社になっていくという経営を進めています。それは弊社が将来どうするかという課題とリンクします。

ではどのようにお考えでしょうか。

弊社は10年先、20年先でもガソリン、ディーゼルで動く車で楽しく走りたいというお客様に商品とアフターを提供するということに目標を置き、個々の技術、知識を高めていこうとしています。みんなが車業界はこうだと、右向け右のような感じで動く中でも、我々は車が好きな方に楽しく乗ってもらうためにお役に立とうということです。電気自動車が多くなってもガソリン車がなくなることはないと思います。その時には1㍑のガソリンが500円程になるかもしれませんが、それでもこの車が好きで乗っているというお客様に対して、しっかり商品とサービスを提供したいと考えています。

 

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